C#+WPFチューニング戦記

C#とWPFで高速なコードと最適なシステムを書くためにやってきたいろいろな事を書いてみます。.NET Frameworkのソースコードを読み解きましょう。なお、ここに書かれているのは個人の見解であって何らかの団体や企業の見解を代表するものではありません。

WPF

WindowsFormsHostとGridSplitterのねばねばした関係

全ての画面を作るというわけにいかないプロジェクトもあるので、WindowsFormsHostをグリッド上に配置するというケースも時々あるかと思います。 そんなときに、GridSplitterを入れるとWindowsFormsのコントロールが酷い描画をするという話はよく聞きます。 …

Msを16倍出し抜くC#+WPFの3回目(その前に)

スライドがどうも整ってないのでまだ公には出してないのですが。今までくどくどと挙げてきたWPFボトルネックを全部避けてみるだけで、実際どの位速いパネルが生まれるのかというあたりをデモしました。その時にちょっとおまけ話としてイベントの発射地点につ…

Thickness = 1の線分がどのくらい遅いか試すコード

WPF Benchmark WPF Benchmark - Source Code私がここ数日言っていたことは、ここのコードでそのまま試せます。 走らせながら、太さを調整してみるとわかると思います。 モニターのデフォルト倍率によって多少変化しますが、要は実描画時に何ピクセルの太さに…

高速な線分描画とか2

存分に強いグラフィックチップが有っても、太さ約1.7pxくらいが一番速いようです。グラフィックチップの種類はあまり問わず似たような性能曲線。 GPUの力もある程度働いているようです。でもCPU側が少々過剰でアンバランスです。そろそろMicrosoftに問い合わ…

高速な線分描画とか

あんまりショッキングな書き方をしたくありませんので、現時点ではある開発機で発生した事象として記載します。始点終点がランダムである場合、線の太さが√3に近いほど高速になるという実測データを得ました。大まかに言いますと 最速は 1.71px~1.74pxくら…

仮想化しないでも速いCanvasの作り方

XAML Advent Calendar 2014 - Qiita XAML Advent Calendar 2014 - Qiita こちら向けの記事です。1日遅刻しました。ごめんなさい。 あちこちで書いて回っておりますがPanel.Childrenがとても重いのです。 遅い原因はこちら。 http://referencesource.microsof…

FreezableにDataContextが伝播する仕掛け(その2)

素早く実証コードを書いてみました。 ViewModelとしては概ねこんな感じ using System; using System.Windows; using System.Windows.Input; using System.Diagnostics; namespace WpfApplication1 { class MainWindowViewModel : DependencyObject { public …

FreezableにDataContextが伝播する仕掛け(その1)

依存関係プロパティ(継承タイプ)を変更しますと。 このあたりをスタート地点としまして。http://referencesource.microsoft.com/#WindowsBase/Base/System/Windows/DependencyObject.cs,1243長い処理を経てここに到達します。http://referencesource.micro…

ベジェ曲線のHitTest

WPFにあまり任せてはいけないのがベジェ曲線のHitTestです。 几帳面で抜け目ありませんが、きわめて低速です。真面目に方程式を解く手法ももちろんあるのですが、実はあんまり工夫しないでも、そこそこに優良なコードは書けます。 概ねこんなノリです。動か…

MSを16倍出し抜くなんとか2回目

Msを16倍出し抜くwpf開発2回目 先日やった勉強会資料2回目です。 簡素な仮想化パネルの元資料です。

イベント集約という手法

一長一短あります。 本日はイベント集約のこと。イベントは大変便利ですが、1つのイベントにどの程度のリスナーが居るかを正確に管理するのは大切です。WPFを手本にすると、バインディングパスとレイアウトパスに関して見事なイベント集約がなされているこ…

簡素な仮想化パネル

こんなXAML <Window x:Class="Test.FastCanvas.MainWindow" xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation" xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml" xmlns:local="clr-namespace:Test.FastCanvas" Title="MainWindow" Height="350" Width="525"> </window>

実は最近、Visualを細切れにしたらいいんじゃないかと思い

最近まで、よりも速い仮想化パネルを作るということに心血注いでいて一段落ついたところなのですが、まだいくつかやり残したことがあります。というのは、あるチューニング中の出来事で、再描画領域がパネルの左上から右下まで突き抜けているベジェを変更す…

ペンはブラシに負けます

ペンは仕掛けが複雑なので、図形を書く際には縁が要らないならブラシだけで書きましょう。場合によっては、四角形を回転拡縮して描いた方が速い事すら有ります。やや極端ですが。余談ですが、最近短いのが多いのは、スマホ端末から書いているからです。

VisualBrushの恐怖を一言で表現する

WPF

Visualの描画範囲が、Direct3Dのテクスチャの最大サイズを超える場合、滲みます。*1 *1:中間バッファがレンダリング命令ではなく、レンダー結果のテクスチャだからです。MSDNの表現だけではそれを汲み取りにくいんですよね。印刷の時とかご注意。

2つの親子関係

タイトルのようなことを書くと、普通はロジカルツリーとビジュアルツリーというのが相場ですが、これは別の話です。 ビジュアルツリーは2つの繋がりを持って初めてビジュアルツリーなのです。 AddVisualChild()で接続される、WPFの描画順序に関わるツリー V…

RecomputeZState()を読みます

http://referencesource.microsoft.com/#PresentationFramework/src/Framework/System/Windows/Controls/Panel.cs#1001これはPanel.csの一部です。 ZIndexが変更されたり、Panelの子要素が追加される度にこれくらいの処理が行われることを覚えておきましょう…

透過率の変更コストをご存知ですか?

DrawingContextに対する描画では、いろいろコストを考えなければいけないところがあります。 例えば、下記のコードは同じような描画を期待できそうですが、速いのはどちらでしょうか。こちらは、同じTransformのものをまとめています。 DrawingContext dc; f…

Z順序の問題とCanvasの関係について

見たまま記述からはてな書式に切り替えてみました。 考えてみたらこっちのほうがWikiっぽくて使いやすいし軽快ですね。 なんか書くのに時間がかかると思っていたら、それは編集用のパネルが遅いからだった、というわけです。 テキストボックスが遅いとか、や…

VirtualizingStackPanelのコード長いですね

ここのところ毎日ソースコードを読みながら実況中継という気分ですが。1日あたり1クラス程度を読むのを日課にしておりますが、本日は苦戦中です。 PanelがベースになっているVirtualizingPanelを基底クラスに持ちながら、VirtualizingStackPanelあの量の機能…

手遅れ SizeChanged

SizeChangedのイベントは、ちょっと届くのが遅いと思います。 本当の本当に、レイアウトパスも済んだところで届きます。うっかりこのタイミングで他のコントロールのサイズを上書きしてしまうと、またレイアウトパスが走ります。最悪、バインディングパスも…

UIElementやFrameworkElementの派生クラスのサイズ

UIElementやFrameworkElementや他のコントロール群。それらのサイズを決めるものは何でしょうか。 WidthやHeightはサイズを決めるものではなく、コントロールの使用者がどのようなサイズを期待しているか、標準の測定ロジック(すなわちMeasure)に知らせる…

DependencyPropertyの急所を見つける

WPFに触れたことのある人ならバインディングの便利さを知らぬ人は居ないでしょう。これはその骨にあたる部分の話です。 DependencyObjectを継承したクラスにはDependencyPropertyを使用することができます。これは通常の依存関係プロパティとしてでなく、添…

Panel.Chidrenのボトルネックについて

Canvasにせよ、Gridにせよ、みんなPanel継承しています。 ですから、Childrenに子コントロールを追加していくことになります。ChildrenはUIElementCollectionです。UIElementCollectionの中身を知っておくことは重要です。中身はVisualCollectionなのですが…

Canvas.LeftやCanvas.Topの動作について

パネルのうちで極めて自由度が高いといえばCanvasですが、使い込めば使い込むほど中身のことをしっかりと理解しておく必要を感じるはずです。 http://referencesource.microsoft.com/#PresentationFramework/src/Framework/System/Windows/Controls/Canvas.c…